《広東語》(初級87) 金額の表現方法 その②
- 2017/9/13
- 広東語(Cantonese), 文法, 初級
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今回は前回の「(初級86) 金額の表現方法 その①」に引き続き金額の表現方法について学習していきたいと思います。
硬貨・紙幣の名称
日本でも”1円硬貨”や”1円玉”、”1000円札”など硬貨・紙幣の金額によって呼び方があります。もちろん香港ドル・パタカにも呼び方があります。ここではそれを紹介していきたいと思います。まずは貨幣から見ていきましょう。
まずは、香港・澳門で流通している硬貨が広東語では一般的にどのように呼ばれているかを紹介していきたいと思います。
日本語 |
広東語 | 広東語読み |
---|---|---|
一蚊銀仔 | yat1 man1 ngan2 jai2 | 1ドル/パタカ硬貨 |
一蚊雞 | yat1 man1 gai1 | 〃 |
一蚊銀幣 | yat1 man1 ngan4 bai6 | 〃 |
一蚊銀 | yat1 man1 ngan2 | 〃 |
兩蚊銀仔 | leung5 man1 ngan2 jai2 | 2ドル硬貨 |
兩蚊雞 | leung5 man1 gai1 | 〃 |
兩蚊銀幣 | leung5 man1 ngan4 bai6 | 〃 |
兩蚊銀 | leung5 man1 ngan2 | 〃 |
五蚊銀仔 | ng5 man1 ngan2 jai2 | 5ドル/パタカ硬貨 |
五蚊雞 | ng5 man1 gai1 | 〃 |
五蚊銀幣 | ng5 man1 ngan4 bai6 | 〃 |
五蚊銀 | ng5 man1 ngan2 | 10ドル硬貨 |
十蚊銀仔 | sap6 man1 ngan2 jai2 | 〃 |
十蚊雞 | sap6 man1 gai1 | 〃 |
十蚊銀幣 | sap6 man1 ngan4 bai6 | 〃 |
十蚊銀 | sap6 man1 ngan2 | 〃 |
一毫子 | yat1 hou4 ji2 | 10セント/アヴォス硬貨 |
兩毫子 | leung5 hou4 ji2 | 20セント硬貨 |
五毫子 | ng5 hou4 ji2 | 50セント/アヴォス硬貨 |
ドル/パタカ単位の硬貨の名称は主に、以下の4通りがあります。
(1) [数値] + 銀仔
(2) [数値] + 雞
(3) [数値] + 銀
(4) [数値] + 銀幣
上のほうから順番によく使われます。(1)~(3)は日本語でいう”100円玉”のような口語的な感覚で、(4)は日本語でいう”100円硬貨”と少し専門的な単語になります。また、「銀」と「銀仔」は声調が第4声ではなく第2声となります。
セント/アヴォス硬貨については、金額を述べる時の言い方と同じ「[数値] + 毫子」で呼ばれます。「毫子」は硬貨の意味も含んでいて通常、特に「銀仔」、「銀幣」、「銀」は付けません。つけても間違ってはおらず具体的に硬貨であることを示せますが、付けないことがほとんどです。また「雞」は「蚊」に対してだけ使うので「毫子」には使えませんので注意してください。
昔の香港ではお酒などのお付き合い等をする女性を「雞(gai1)」と呼んでました。この時1回1香港ドルで呼ぶことができたので、ここから1香港ドル硬貨を「一蚊雞」と呼ぶようになり、それが他の硬貨にも使用されるようになりました。また、「毫子」は数字としては小数なので人を表す「雞」は「毫子」には使いません。
※澳門で使われているパタカの硬貨は10アヴォス硬貨、50アヴォス硬貨、1パタカ硬貨、5パタカ硬貨となります。昔は20アヴォス硬貨、2パタカ硬貨、10パタカ硬貨も発行されていましたが現在は流通していません、古銭屋さんで入手はできます。
補足として「銀仔」と「銀幣」は数字と組み合わせず、”コイン”、”硬貨”という意味の単語で使用可能です。
それでは次に紙幣の呼び方を見ていきましょう。
日本語 |
広東語 | 広東語読み |
---|---|---|
十蚊紙 | sap6 man1 ji2 | 10ドル/パタカ札 |
二十蚊紙 | yi6 sap6 man1 ji2 | 20ドル/パタカ札 |
五十蚊紙 | ng5 sap6 man1 ji2 | 50ドル/パタカ札 |
一百蚊紙 | yat1 baak3 man1 ji2 | 100ドル/パタカ札 |
五百蚊紙 | ng5 baak3 man1 ji2 | 500ドル/パタカ札 |
一千蚊紙 | yat1 chin1 man1 ji2 | 1000ドル/パタカ札 |
紙幣の呼び方は「[数値] + 蚊紙」となります。硬貨と違って覚えやすいと思います。また、香港では10ドルについては10ドル硬貨と10ドル紙幣の両方が存在します。現在は10ドル紙幣が発行されており、10ドル硬貨は発行されていませんが、現在も10ドル硬貨は流通量が多く、お釣りなどで渡されることが多くあります。ただこの10ドル硬貨は重いのであまり受け取りたくないのが正直なところです。重量は1枚11gで一見聞くと大したことなさそうですが結構重く感じます。
また、あまり多くはないですが「十蚊紙仔」などと「紙仔(ji2 jai2)」という呼び方もあります。ただ通常「紙(ji2)」を使います。
お金に関する言葉 その①
覚えておくと便利なお金に関する言葉を紹介していきたいと思います。
日本語 |
広東語 | 広東語読み |
---|---|---|
紙幣 | ji2 bai6 | 紙幣 |
銀紙 | ngan4 ji2 | 〃 |
銀幣 | ngan4 bai6 | 硬貨 |
新紙幣 | san1 ji2 bai6 | 新札/ピン札 |
新銀紙 | san1 ngan4 ji2 | 〃 |
新嘅紙幣 | san1 ge3 ji2 bai6 | 〃 |
新嘅銀紙 | san1 ge3 ngan4 ji2 | 〃 |
“紙幣”を意味する広東語は2種類、「紙幣」と「銀紙」がありますが、前者の「紙幣」のほうがよく使われています。
また、香港、澳門では1000香港ドル・パタカ札を受け取らないお店が多くあり、1000ドル・パタカ札を出すと店員さんに1000ドル・パタカ札は受け取らない旨を言われることがあります。店舗のレジ付近にも書面語で「不接受一千元港幣(意味:1000香港ドル札は受け取りません。)」と書かれていることを見かけることもあります。以下その時の会話例文となります。
店員:
客:
「散紙」は後でまた説明しますが”細かいお金”という意味です。また、両替屋さんでは1000香港ドルで出てくることがあります。また、ほとんどのATMは500香港ドル札と100香港ドル札で出てくるのですが、一部ATMは1000香港ドルが出てくるときがあります。(不安な場合は900香港ドルずつATMから引き出すと回避できます。)
ただ、1000香港ドル・パタカ札を受け取らないお店が多いので500ドル札に交換しておきたいところです。そのようなときは銀行窓口に行って以下のように言えば交換してもらえます。
通常:
上記を覚えるのは少し大変という方は、次の例2-2の簡単バージョンを覚えるとよいでしょう。
簡単:
こちらの表現のほうがシンプルで、覚えやすいと思います。また例文中に出てきた”交換する”という意味の「換(wun6)」は、”両替する”という意味の「暢(cheung3)」という動詞を使ってもこの場合意味は同じとなります。どちらを使っても構いません。
また、両替したいけど近くに銀行がないという時は、適当な両替できそうな場所で以下のように尋ねることもできます。
質問:
回答:
また旧正月の時に、お年玉にあたる「利是(lei6 si6)」として新札が必要になるときがあります。そういうときは銀行窓口で以下のように言いましょう。
例4-2(新嘅銀紙):
香港の銀行は発券銀行であっても常に新札をストックしているわけではないので、銀行支店にいき新札に交換をお願いしても新札に交換できません。もちろんあれば交換してくれますが通常新札がないので比較的綺麗な紙幣には交換してくれる程度です。また、旧正月だけは「利是」のために各銀行で新札を用意してくれるのでこの時期に限っては交換できます。
お金に関する言葉 その②
それでは次に”お釣り”や”小銭”といった言葉を学んでいきましょう。買い物や日常生活できっと使うことでしょう。
日本語 |
広東語 | 広東語読み |
---|---|---|
找錢 | jaau2 chin2 | お釣りを返す |
散紙 | saan2 ji2 | 小銭(細かいお金) |
散銀 | saan3 ngan2 | 〃 |
零用錢 | ling4 yung6 chin4 ling4 yung6 chin2 |
お小遣い |
まずは「找錢」を使った例文を見ていきましょう。「找錢」は[動詞] + [目的語]の形になっているので、名詞で”お釣り”という場合は「找返嘅錢(jaau2 faan1 ge3 chin2)」といいます。
店員:
店員:
お釣りを返す時は「找返 + [金額]」と「返」を付け加えて使います。”なぜ「返」をつけるの?”と思うかもしれませんが、これについてはこれは初中級で学習する予定なので今はとりあえずそう覚えてください。この上記の会話例文はよく使いますので是非覚えてほしいパターンです。
次に「散紙」、「散銀」を使った例文です。
店員:
明仔(散紙):
明仔(散銀):
小芬:
「散紙」と「散銀」”細かいお金”という意味ですが、どれくらい細かいかというとその時対象に話しているお金(紙幣・硬貨)より小さいお金のことを表します。例1の例文でも”今よりもっと細かいお金ある?”という意味で「散紙」が使われています。
それでは最後に”お小遣い”という意味の「零用錢」を紹介したいと思います。
質問:
回答:
マカオで香港ドルを使う
マカオで使用されている通貨はパタカですが、ほとんどのお店で香港ドルを使うことができます。これは1パタカと1香港ドルは価値がほぼ一緒(香港ドルのほうが3%為替的には高くなる)となっていて、かつ元々香港からくる人が多いということもあり、マカオでは香港ドルを使えるお店が多いです。
マカオのお店では1パタカ=1香港ドルとして使えますが、面倒でなければ銀行に行くことで手数料なしで1パタカ⇔1.03香港ドルに交換してくれます。また両替商のお店でもかなり安い手数料で両替することもできます。
マカオで香港ドルを使うとお金の管理をしっかりしているお店などではレジの人がお金を香港ドルで受け取ったとレジに打ち込んでいたりしています。またこの時お釣りはパタカで返されることが多いのですが香港ドルがあれば香港ドルで返してくれる場合や、パタカと香港ドルがまぜこぜで返ってきたりします。
また、マカオで香港ドルを使う時の注意点として、1000香港ドル札はもちろん500香港ドル札も使えないことがあります。小さいお店では1000香港ドルでかではなく500香港ドルもよく断られますので、もし香港ドルを持ってマカオに行く場合は100香港ドル札をたくさん持っていくようにしてください。また10香港ドル紙幣は受け取ってもらえますが、現在新規発行されていない10香港ドル硬貨はマカオのお店では受け取ってもらえないことが多いです。
ちなみにマカオでは香港ドルの流通量が多いとよく聞きますが、マカオの地元の人たちの財布にはパタカしか入っていないのが一般的です。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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