《広東語》 「有得/冇得 + [動詞]」 と 「[動詞]+到/唔到」の違い
- 2019/8/21
- 広東語(Cantonese), 語彙
- できるシリーズ
- 2 comments
こんにちは!今回は”できる”という意味の「有得/冇得」 と 「[動詞]+到/唔到」の違いについて学習していきたいと思っています。
「有得/冇得」 と 「[動詞]+到/唔到」については事前に以下をご覧頂ければと思います。
・(初中級31)[動詞] + 到 : [動詞]のことができる
・(初中級32)有得/冇得 + [動詞] : ~できる/~できない
どちらを使ってもよい事が多い
実はこの2種類どちらの表現を使っても意味が通じることが多いのです。慣れてくると感覚的にわかってくるのですが、今回はその慣れのきっかけになれるように紹介していきたいと思っています。
まずはそれぞれの用法で作った例文がありますのでご覧ください。
例1-2:冇得+動詞:
あまり難しい単語は使用していないので、意味はおわかりだと思います。実はどちらの例文も述べたいことは同じで、どちらも正しい表現となり、意味がしっかりと相手に伝わります。
では何が違うのでしょうか。比較していきましょう。
例1-1: | ・[動詞] + 唔到で表現。 ・主語「我」がある。 |
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例1-2: | ・冇得 + [動詞]で表現。 ・主語「我」がない。 |
この例文は一見すると大して変わらないと感じられると思います。主語の「我」があるか、ないかの差ぐらいです。
[動詞]+到/唔到 | 動作主である主語がその動作が実際に”できる”、”できない”という観点によるもので、この例文では動作主が”買うという動作ができない”と述べています。
主語が省略されることもありますが、その場合は前後の文章に動作の主が述べられていたり、実際会って会話しているときなどは目で見て動作主が判断できます。 |
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有得/冇得 + [動詞] | 周りの環境、自分の都合・意思以外の要因・条件によっできる、できないという場合に対して使われます。これは”売り切れ”という他要因により”買えない”と述べています。
要因・要件・条件に対して使うので主語が基本的にないのはそのためで、文章中では”できる”、”できない”が主旨となります。他要因・条件により”できる”、”できない”と述べているので主語がないことが多くあります。 |
例1-1の文では「我」という人がこの動作をできないという観点からの”できない”です。対して例1-2は要件が整っていないという観点からの”できない”です。上記の例文は聞くと結局同じことを言っているんですが、それぞれ違った見方から”できない”と述べているのです。次にもう一つ練習用として例文を紹介したいと思います。
例2-2:有得+動詞:
考え方は例1-1、例1-2の例文と同じなのでおそらく「[動詞]+到/唔到」を「有得/冇得 + [動詞]」を使っている条件がおわかりかと思います。例2-1は”私たちは行くことができない”という「我哋(わたしたち)」が「去(行く)」という動作ができないといっています。例2-2はお父さんがいないという要件によって「去(行く)」ができないといっています。
このようにどちらの方法でも表現できることが結構あるのですが、片方しか使えないパターンももちろんあります。これについて以降に例文で紹介していきたいと思います。
[動詞]+到/唔到のみ使えるパターン
まず、「[動詞]+到/唔到」でしか表現できないパターンの例文を紹介したいと思います。
このように文章全体がその動作をその人がする話になっている場合は、動作主から見た動詞になるため「[動詞]+到/唔到」でのみ表現できます。
有得/冇得 + [動詞]のみ使えるパターン
次は「有得/冇得 + [動詞]」しか使えないパターンを紹介したいと思います。
例4-2:
この例文のように映画の上映や、テレビ・ラジオに対して放送・放映しているから”見ることができる”は、条件としてしか表現できないので「有得/冇得 + [動詞]」で表すことになります。
しかし、今回の例文は実は比較的特別で、実際には「有得 + [動詞]」で表す文章は多くの場合「[動詞]+到」で表すことができてしまいます。たとえば「例4-1」も少し文章が変わってしまいますが、以下のように”動作主が実際にその動作ができる・できない”という観点から文章全体を書き換えることにより、ほぼ同じ意味で「[動詞]+到/唔到」の形式で表現することができます。
今回もお読み頂きありがとうございました!!
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コメント
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はじめまして。この香港VISIONで勉強させてもらってます。
1-1の粤語発音のピンインが間違ってると思います。ガムヤットは今日の発音では?
また日本語訳もこの本でなくあの本ではないでしょうか?
こんにちは。コメントありがとうございます。
例1-1は全く違う例文の発音を記載していました^^;
日本語訳も修正致しました。
ご指摘ありがとうございました。