《広東語》 (初中級10)俾 + [人] + [動詞] ~ : [人/生物]に~を[動詞]してあげる
- 2018/4/19
- 広東語(Cantonese), 文法, 初中級
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こんにちは。今回は「俾 + [人] + [動詞]」を使った用法を紹介していきたいと思います。
「俾 + [人/生物] + [動詞]」とは
文法 | 俾 + [人] + [動詞] |
---|---|
意味 | [人]に[動詞]してあげる。 [人/生物]に[動詞]してもらう。 |
今回学ぶ用法は「(初中級02) [動詞] + 俾 + [人]:[人]に[動詞]する」で学習した「[動詞] + 俾 + [人]」の形式と似ており、順番が違うだけとなります。これについては後ほど違いを説明していきたいと思います。それではまずは例文を見ていきましょう。
例1の「俾你睇」の部分が今回学習する用法を使った部分になります。これは”「你(あなた)」に「睇(見る)」ということをさせてあげる”という意味で、”見せてあげる”という意味になります。「睇」の動作をするのは「你」になります。
次は否定文を見ていきましょう。否定文の基本は「唔」を使って「唔俾」とします。
このように否定する場合は単純に「唔俾 + [人] + [動詞]」という形になります。動詞は例1と同様に「睇」なのでわかりやすいと思います。ちなみに「俾」は日本語にすると”~してあげる”、”~してくれる”になります。例えば「我俾佢睇呢本書」は”わたしは彼に本を見せてあげる、「佢俾我睇呢本書」は”彼はわたしに本を見せてくれた”と誰から誰かによって”あげる”、”くれる”という言い方を日本語では使い分けますが、広東語ではどちらも「俾」です。
「俾 + [人] + [動詞]」と「[動詞] +俾 + [人]」の違い
冒頭でも述べましたが以前「(初中級02) [動詞] + 俾 + [人]:[人]に[動詞]する」と学習した「[動詞] +俾 + [人]」と今回の「「俾 + [人] + [動詞]」」と順番が違うだけで何が違うんだろと思った方もいると思います。これ実は大きな違いがあります。なるべく簡潔に説明していきたいと思いますので、まずは以下の表にまとめてみました。
文法 | ①[主語] + 俾 + [人] + [動詞] ①[主語] + [動詞] +俾 + [人] |
---|---|
意味 | ①[主語]が[人]に物を渡して、[人]が[動詞]する。 ②[主語]が[動詞]して[人]に物を渡す。 |
この順番が違うだけというのは差が大きく、主語が動詞をするか、それとも「俾」の後の[人]が動詞をするかの違いがあります。主語は会話文の中では省略されてしまうことも多いのですが、省略されている場合は前後の会話の流れで判断しましょう。
これだけだとわかりにくいかもしれませんので具体的に例文を紹介したいと思います。
例:
この2つの例文の違いはわかりましたでしょうか。ポイントを先に述べてしまうと
俾你攞:最終的に「攞」という動作をするのは俾の[人]が行う。この例文の場合は「你」が「攞」の動作をします。
攞俾你:主語の人が「攞」という動作をして、[人]に渡します。つまり「攞」するのが主語。
という動詞をする人が誰なのかということに差があります。そのため先ほどの例1の文章の「我俾你睇吓呀」は「睇」という動詞をするのが「你」になります。
ちなみに「睇俾你」という言い方はNGとなります。理由は”主語が「睇」という動作をして[人]に渡す”という意味になり、通常起こりえない意味が全くわからない文章になってしまうためです。
それでは慣れていくための練習文を用意しましたので見ていってください。
例文で練習しよう!
質問:
回答:
質問:
回答:
「〇仔」という呼び方について
香港の人の本名の下の名前は基本的に漢字2文字で、この2文字のうちどちらかの漢字と「仔(jai2)」をくっつけて「〇仔」と呼ぶことがよくあります。例えばHong Kong Visionの設定では明仔の本当の下の名前は「志明(ji3 ming4)」という設定にしています(どうでもいいんですけどね)。この名前の「明」を取って「仔」とくっつけ「明仔」としています。
これは性別は男の子・男性に対して使われます。年齢は関係ありません。
ちなみに子供に対して使う時は可愛らしい感じが出ますが、大人に対して使う時はただのニックネーム的な感じです。また、会社とかでも同僚にも普通に使い、上司に対しても使ったりします。また香港ではこのような呼び方ではなくイングリッシュネームで呼ぶことも多いです。
質問:
回答:
「打波(da2 bo1)」の「波」は”ボール”意味で英語の”ball”を漢字にしたただけとなります。なので意味としては厳密に言うと”ボールを使って遊ぶ・運動する”なのですが、基本的にバスケットボールを指します。香港ではあちこちにバスケットボールがありバスケットボールをしている人が遊んでいます。
この用法とよく一緒に使う動詞
今回学習した用法は以下の4つの動詞と使われることが多いので音声ファイルを聞いて覚えていきましょう。
広東語 | 意味 |
---|---|
俾你睇吓~ 俾我睇吓~ |
あなたに~を見せてあげる わたしに~を見せてくれる |
俾你聽吓~ 俾我聽吓~ |
あなたに~を聞かせてあげる わたしに~を聞かせてくれる |
俾你試吓~ 俾我試吓~ |
あなたに~を試させてあげる わたしに~を試させてくれる |
俾你用吓~ 俾我用吓~ |
あなたに~を使わせてあげる わたしに~を使わせてくれる |
上記表の”~”の部分は別の動詞を述べたり目的語を述べたりしてかまいません。もちろんなくても大丈夫です。
ちなみにこの用法はお気づきだと思いますが動詞の後には「吓(ha5)」がよくくっつきます。
疑問文について
「俾 + [人] + [動詞]」の用法は疑問文という形も存在して、その場合は「俾唔俾 + [人] + [動詞]」という形を取ります。以下に例文を紹介したいと思います。
「俾 + [人] + [動詞]」の疑問文は上記のようにすることもあるのですが、”~してあげるの?”という会話のシチュエーション自体があまり多くないため使用頻度は高くありません。
相手に問う場合は”~してもらってもいい?”、”~してあげてもいい?”という形で許可を求めることに使われることが多いので
・俾 + [人] + [動詞],得唔得呀?
・可唔可以 + 俾 + [人] + [動詞] + 呀?
という形になることが多いです。また、動詞の後に”ちょっと”、”軽く”という意味の「吓(ha5)」がよく一緒に使われます。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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