香港で使われる言葉
以前の記事「香港の公用語ってなに?」で実質の公用語は広東語・普通語、英語という記事を書きました。
日本人の英語学習は現在大人の方なら中学校から習い始め高校卒業までだと合計6年間、大学入学後も英語の講義があることが多いです。また最近は小学校から習とききます。つまり香港に旅行や、出張、駐在となったときにこの学校で習った英語が発揮できる場所でもあります。
また、最近は日本でも中国語を習う方が増えていて、大学の語学の授業でも中国語を選択する人の割合が多いと聞きます。ただ、以前の記事で香港は広東語を母語とする人が9割近くと紹介しました。英語が母語の人は全体の1.4%と、普通語にしても3.9%と意外と低いという印象でした。実際に英語、普通語は通じるのでしょうか。
2016年に香港政府が香港の人の英語、普通語、広東語の口語力について調査を行っています。その結果を交えて説明していきたいと思います。
英語力について
まずは英語力から見ていきたいと思います。
英語口語力自己評価 | とても 良い |
良い | 平均的 | あまり よくない |
悪い | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 186.2 | 716.8 | 1 521.9 | 727.2 | 418.7 | 3 570.8 |
割合(単位:%) | 5.2 % | 20.1 % | 42.6 % | 20.4 % | 11.7 % | 100.0 % | |
非経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 70.0 | 327.3 | 828.3 | 487.7 | 336.1 | 2 049.4 |
割合(単位:%) | 3.4 % | 16.0 % | 40.4 % | 23.8 % | 16.4 % | 100.0 % | |
合計 | 回答者数(単位:千人) | 256.2 | 1,044.1 | 2,350.3 | 1,214.9 | 754.8 | 5,620.3 |
割合(単位:%) | 4.6 % | 18.6 % | 41.8 % | 21.6 % | 13.4 % | 100.0 % |
割合としてはかなり高いです、実際買い物や食事といった際に英語が通じなくて困るという場面は少ないです。また銀行のスタッフやショッピングモールのカスタマーセンターなど当たり前のように英語が通じます。英語が通じないのはたとえば香港の人以外滅多に来ないレストランなどです。ですが、スタッフが英語がわからない場合、そのスタッフは別のスタッフを呼んだり、ジェスチャーなどで対応してもらえるので問題は少ないと思います。
普通語口語力について
次に普通語の口語力の調査結果を見ていきたいと思います。
普通語口語 | とても 良い |
良い | 平均的 | あまり よくない |
悪い | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 158.3 | 727.2 | 1,503.4 | 776.6 | 405.3 | 3,570.8 |
割合(単位:%) | 4.4 % | 20.4 % | 42.1 % | 21.7 % | 11.4 % | 100.0 % | |
非経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 109.4 | 391.9 | 808.9 | 467.4 | 271.8 | 2,049.4 |
割合(単位:%) | 5.3 % | 19.1 % | 39.5 % | 22.8 % | 13.3 % | 100.0 % | |
合計 | 回答者数(単位:千人) | 267.7 | 1,119.1 | 2,312.3 | 1,244.0 | 677.2 | 5,620.3 |
割合(単位:%) | 4.8 % | 19.9 % | 41.1 % | 22.1 % | 12.0 % | 100.0 % |
普通語も話せる人がかなりの割合でいるようです。平均的以上の合計の割合は65.8%と3人に2人の割合で平均的以上話せるということになります。普通語だけでもそれなりにコミュニケーションできてしまいますね。英語力も普通語も当てはまるのですが、平均的以上と答えた学生の割合は平均値より高くなっています。最近の学生は語学関連の教育レベルが高いといえるでしょう。ただ、普通語の発音はあまり綺麗ではなく、話すスピードが速い人が多いので少し聞き取りにくい場合もあります。
広東語力について
最後におまけですが広東語の口語力についても記載します。
広東語口語力自己評価 | とても 良い |
良い | 平均的 | あまり よくない |
悪い | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 1,992.8 | 1,112,5 | 305.6 | 84.4 | 75.5 | 3570.8 |
割合(単位:%) | 55.8 % | 31.2 % | 8.6 % | 2.4 % | 2.1 % | 100.0 % | |
非経済活動者 | 回答者数(単位:千人) | 1,090.7 | 667.5 | 208.6 | 47.9 | 34.7 | 2 049.4 |
割合(単位:%) | 53.2 % | 32.6 % | 10.2 % | 2.3 % | 1.7 % | 100.0 % | |
合計 | 回答者数(単位:千人) | 3,083.5 | 1,780.0 | 514.2 | 132.3 | 110.3 | 5,620.3 |
割合(単位:%) | 54.9 % | 31.7 % | 9.1 % | 2.4 % | 2.0 % | 100.0 % |
英語と普通語に比べると圧倒的な差です。広東語の口語については95.7%の人が平均的以上と答えています。
補足としてこの調査は、注意点として英語力や普通語を実際にテストして測ったわけではなく、あくまで調査対象の人の自己申告ということです。
また、広東語が通じないお店も多くはないですが存在します。例えばセントラル(繁体:中環/英:Central)などの外資系企業が入っている商業地区ビルのカフェや本屋などでは広東語が通じないことが多く、またサンドウィッチのお店のSUBWAYも香港のあちこちにあるのですが広東語の通じないスタッフがほとんどです。こういうときは英語が必要になってきますが、そこまで高いレベルの英語が必要でもなく、英語が話せないからといって馬鹿にされることもありません。複雑な注文などをするわけではないのなら片言の英語に指差しやジェスチャーで十分です。
今回もお読み頂きありがとうございました!
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