《広東語》(初級67) 俾 + [物] + [人] : [物] を [人] にあげる
- 2017/6/15
- 広東語(Cantonese), 文法, 初級
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今回は「俾」を使った表現について学んでいきたいと思います。「俾」は”あげる”という意味をもち、重要な使い方の一つなので使いこなせるように頑張っていきましょう。
「俾」の使い方 その①:俾 + [物] + [人]
文法 | 俾(bei2) + [物] + [人] |
---|---|
意味 | [物] を [人] にあげる。 |
表中には[人]と記載しましたが、人でなくても他の生き物や人形でもよく物を渡す対象であれば構いません。香港の人とやり取りしていると「畀」、「比」と書かれることもよくあります。
それでは早速例文を見ていきましょう。
この例文のように「俾」の後に”あげる物(文中「蛋糕」)”、”あげる対象(文中「佢」)”を順番に述べていきます。
この「俾」は方向性が動作主から対象者に”あげる”という意味なので、たとえは以下のような例文の場合は日本語とちょっと考え方が変わってきます。
この例文は主語が「佢(彼・彼女)」で「俾」の対象が「我(わたし)」になっています。このような時、日本語は”くれる”、”もらう”という別の言葉を使った表現になりますが、広東語ではこの場合も「俾」を使って表します。特に”あげる”、”もらう”という言葉の使い分けはせず「俾」を使います。
もう1つ例文を見ていきたいと思います。
物が「錢(chin2)」の場合は意味が2つ考えられます。1つは”お金をあげる”という時です。もう1つは”お金を支払う”という意味です。なので上の文章は「佢」がレジの人などの場合は”お金を払う”、「佢」が自分の子供に対しての場合は”お金をあげる”となります。
「俾」の使い方 その②:[物] + 俾 + [人]
次に渡す物の強調した表現について紹介したいと思います。
文法 | [物] + 俾(bei2) + [人] |
---|---|
意味 | [物] を [人] にあげる。 |
そのような場合は上記の形式で、[物]を「俾」の前に述べます。まずは例文を見ていきたいと思います。
上記例文の場合は「その①:俾 + [物] + [人]」用法を使っても構わず、その場合は「俾你呢個啦。」となりどちらも意味は同じになります。ただ、①より、今回の②のほうが使われる頻度は高いです。
また、①のほうは名詞を特定する必要がないのですが、この②の用法は[物]を強調する関係上特定する必要があります。そのため、この例文の「呢個」の部分のように、”その”、”あの”、”だれだれの”、”どこどこの~”というように物を特定させる代名詞や量詞を一緒に述べる必要があります。
また、この表現方法を使う場合、その動作主(主語)を述べる際は以下のように表現します。
このように、最初に物を述べてから、主語を述べてください。「[物], [主語] + 俾(bei2) + [人]という形になります。また「我,呢個蛋糕俾你啦。」と述べるのはNGなので注意してください。物を先に述べてください。
例文で練習しよう
質問:
回答:
「俾」も動詞なので以前学習した過去を表す「咗(jo2)」と一緒に使用することができます。
この例文のように否定する場合は「唔」を使うことで否定形としても使うことが可能です。
質問:
回答:
※唔熟(m4 suk6):[形容詞] 親しくない。(対象の人を)よく知らない。
質問:
回答:
この例文の回答ではあげる対象物の「禮物」がありませんが、質問の時点でそのキーワードは既にでているので省略されています。
※發脾氣(faat3 pei4 hei3):[動詞+目的語] カッとなる。虫の居所が悪い。
質問:
回答:
この例文の質問部分は[物]の部分が「呢架新嘅模型飛機仔」と非常に長くて「明仔」との切れ目がわかりにくいのですがこのように[物]もしくは[人]の部分が長くわかりにくい時があります(ただ広東語ネイティブの人はそう感じてはいません)。
質問:
回答:
“払う”という意味の場合は「錢(chin2)」だけではなく”お金に関する物”が使えます。電気代やガス代などの光熱費、電話代などにも使えます。
補足
今回は「俾」の使い方を覚えてもらいました。他の動詞と組みあわせて使うことが多いのが特徴です。これについては、初中級文法講座「(初中級02) [動詞] + 俾 + [人]:[人]に[動詞]する」や「(初中級10)俾 + [人] + [動詞] ~ : [人/生物]に~を[動詞]してあげる」にて学習します。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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