《広東語》(初級82) 広東語は主語をあまり省略しない
- 2017/8/14
- 広東語(Cantonese), 文法, 初級
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これまで初級レベルの広東語の文法を学習してきましたが、初級レベルは第89課までとなります。今回から第89課まではこれまで紹介しきれなかった補足的な部分について学習していきたいと思います。
主語はあまり省略されない
日本語は主語を省略しがちですが、広東語は主語を省略することはあまり多くありません。例えば会話をしている中で既に出た事柄については主語が省略されるのですが、会話の初めの場合は主語は省略されないことがほとんどです。
例えば日本語で誰かに何かを訪ねたいときは”お尋ねしたいのですが~”、”質問なのですが~”といい、”わたしは質問がしたいのですが~”などとわざわざ主語をつけて言うことはないと思います。しかし、広東語は以下のように主語も合わせて述べるのが一般的です。
ただ、省略されない傾向が強いというだけで省略する人もいます。例えば上記の文章でも主語を省略して「想問~」という人も少ないですが存在します。
なぜあまり省略しないのかというと答えづらいのですが、広東語は文章が短いことが多いので主語を入れて文章を長くしたほうが聞きやすいのだと思います。また、よく主語として使われる「我」「你」「佢」は全部第5声で、文章の始まりとしてはとても発音しやすい音ということもあると思います。
それではもう1つ例文を見ていきましょう。
この例2も始まりが「我唔舒服呀」となっています。日本語にすると”わたしは具合悪い”となりますが、こちらも主語は広東語だと通常は省略しません。日本語だと”具合が悪いので~~”で主語が自分であることを想像できるのでわざわざ述べませんが、広東語だとはっきりと主語を述べます。
省略しないのでややこしい言い方をする
確かに主語があるほうがわかりやすいのですが、日本人にとってはこの主語を省略しないため、ややこしく聞こえてしまうことがあります。例えば広東語は話者が話者自身のことを説明するときに以下の例文のように主語を2度使うことがあります。広東語ネイティブの人にはもちろんややこしく聞こえず、このほうが説明がクリアに聞こえます。
この例文は「我」が2つあり日本語だと少し変に感じてしまうかもしれませんが、全く問題ありません。実はむしろ2つあったほうがわかりやすいのです。広東語は主語をちゃんと述べることが多いのでこのほうが望ましくあります。以下にもう一つ主語が二つある例文を紹介したいと思います。
この例文も同様に「知道」の主語、「唔啱」の主語はどちらも”自分”ですが、2つ共に主語をつけて述べています。
主語の付け方のコツ
実はルールはそんなに難しくありません。
・主語は基本付ける。
例2の「我唔舒服~」のように短い一言でも通常主語を述べます。
・会話の中でその主語が既に述べられている場合は省略するほうが多い。
今回は日本語で省略されがちな主語は、広東語では基本的に述べるということを紹介しました。少し慣れないかもしれませんが、他のページで紹介している例文を聞いているうち慣れてくると思います。たくさん広東語を聞いていると話すときも自然に”ここ主語をつける”と無意識のうちに使えるようになると思います。
今回もお読み頂きありがとうございました。
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